Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ピッチャーさつじんじけん
投手殺人事件
Lesen Sie 投手殺人事件 (ピッチャーさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.243 Zeichen · 57 Bildschirme
新しい千円札は、こういう時に便利で、三百万といったって、あっちこっちのポケットへねじこめますね」
「ハテナ。その契約書は、墨で署名してありましたが」
「その通りです、ごらんなさい」
煙山はカバンをあけて、矢立をとりだして示した。
「野球の選手なんてものは、スズリだの毛筆だの、まア、持ってないのが多いもんです。ですから、私は、ちゃんとブラ下げて歩いています」
「さすがに細心なものですな。ところで、あなたは、東京から尾行した者があることを御存知でしたか」
「いいえ、それは知りませんでした。しかし、私の職業柄、常に尾行する者あるを予期して、行動しております」
「なるほど、それで分りました。ところで、あなたの東京発の時間を、誰か知っていたでしょうか」
「そうですなア。社内では、マア、社長。それから、誰でしょう。そう、たくさんの人が、知ってる筈はありません。たいがいなら、九時の特急と思うでしょう。一時間半おそく出発して、京都へつくのが一時間四十分ぐらい早いのですから。しかし、特急は知った顔に会うことが多いので、私はめったに利用しません」
「実はですな。御出発の前夜、専売新聞へ、あなたの出発時刻を知らせた電話があったのです。