Japanische Klassiker mit Furigana
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こうぎするぎむ
抗議する義務
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 抗議する義務 (こうぎするぎむ) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.766 Zeichen · 8 Bildschirme
あまりにも当然なことなのである。
しかしそういうあまりにも当然なことが、日本ではなかなか行われない。当然なことを当然にいったりしたりすることは、実はそう易しいことではないのである。第一何が当然なことであるかを「自分で考える」人がいない。というよりも、日常すべての問題について、自分の頭でものごとを考える人があまりいないといった方がいいかもしれない。自分の頭で考える考えないを通り越して、自分の眼で物を見ることの出来る人さえ少ないようである。
「牛の顔を見たことがあるか」ときくと、大抵の人は馬鹿にするなというような顔付をする。しかし「それなら角と耳とどっちが前にあるか」ときくと、全然知らない人が大部分である。牛の顔くらいのことはどうでもかまわないが、日常生活すべてのことに、見ているのか見ていないのかわからないような、どんよりと濁った眼をただあけているのでは心細い次第である。そういう人に自分の頭でものごとを考えよといっても無理である。
ところでそういう人たちは、ものごとを考えないのかというと、却って始終考えごとをしている人が多い。ただその考えが陰気で内攻的で、じめじめしていて、さらりと筋を通して考えるということがない。