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Japanische Klassiker mit Furigana

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だきみょうがのせつ

抱茗荷の説

山本 禾太郎

Lesen Sie 抱茗荷の説 (だきみょうがのせつ) von 山本 禾太郎 (やまもとのぎたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.330 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

母の発足当時の祖母の話を思いだすと、なぜか妙に君子には抱茗荷の紋と、椿の花が思い出される。これは決して祖母の話の再生ではなく、その話から連想される、君子自身が直接目に見た記憶に違いないのである。母の発足からなぜ抱茗荷と椿の花が思い出されるのであろうか。

君子の家の定紋がなんであったか、君子の物心のつくころには、すでに家の没落した後で、定紋のついているものなぞ、家のうちには見出せなかったが、祖母が手廻りの品を入れるために持っていたただ一つの提灯箱についていた紋所は、丸のなかに四角なものが四つあったように思うから、これは丸に四つ目の紋に違いない。だから君子の記憶に抱茗荷があろうはずはないのである。椿の花にしても、君子が祖母と一緒に住んでいた山端の掘っ立て小屋の付近に椿はなかったように思うし、たとえ山のなかや、他家の庭先なぞで見たことがあるにしても、それが、母の帰国に関係があるとは思われない。君子にはもっと、特殊な記憶にしっかりと焼けつくような大きな事件のあった時と所で見たに違いないと思われるのである。

君子が母に連れられて発足してから、再び祖母のところに帰ってくるまでの話も、祖母から幾度となく聞かされたが、これは祖母自身が見ていた話ではないから、その大部分は片言まじりの君子の話か、祖母が想像して創りあげたもの