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Japanische Klassiker mit Furigana

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おしかけにょうぼう

押しかけ女房

伊藤 永之介

Lesen Sie 押しかけ女房 (おしかけにょうぼう) von 伊藤 永之介 (いとうえいのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.073 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

手強くこばまれると、もと/\ここまで女をひつぱつて来た自分の大胆さをむしろ不思議に思つていた佐太郎は、急に気弱くなつてしまつた。自分の行為が空恐ろしくなるとともに、女に対する興奮が急に冷却してしまつた。

いつたい初世はどういう気持なのだろうか。翌る日になつても、佐太郎には何が何だかサツパリわからなかつた。これまでのあらゆる場合をそつくり思いかえしてみても、初世が自分をきらつている証拠らしいものは、一つとして思い出せない。それなのに、頑強に最後のものを拒んだ、ほんとに好きなら、あんなに拒むはずがない。と言つても、きらいだという顔をしたこともない。

佐太郎は結局わからなくなつてしまつて、秀治に相談を持ちかけた。

「はツはツは――決つてるじやないか、それは――きらわれたんだよ」

秀治は東京の工作機製作工場に出ていたのを、兄が出征したために、この夏の田植から家に戻つて来て働いていた。その工場の友だちに与太者がかつたものがいたせいか、村に帰つても不良じみたものを時々のぞきこませ、女のことでも問題を起していた。

都会にいた印みたいに、変に陰気な隈どりのある顔をゆがめて、秀治は笑いとばした。