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Japanische Klassiker mit Furigana

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そうわ

挿話

徳田 秋声

Lesen Sie 挿話 (そうわ) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.544 Zeichen · 53 Bildschirme

Aozora Bunko

秋祭の時、廓に毎年屋台が出て、道太は父親につれられて、詰所(検番)の二階で見たことがあったが、お絹の母親は、新調の衣裳なぞ出して父に見せていたことなどもあった。今はもう四十五六にもなって、しばらくやっていた師匠を止めて、ここの世話をやきに来ているのであったが、地蔵眉毛が以前より目立って頬は殺げたけれど、涼しい目や髪には、お婆さんらしいところは少しもなかった。丈はすらりとした方だが、そう大きくもなく、姿態がほどよく整っていた。

道太たちが長火鉢に倚ろうとすると、彼女は中の間の先きの庭に向いた部屋へ座蒲団を直して、

「そこは暑いぞに。ここへおいでたら」と勧めた。

「この家も久しいもんだね。また取り戻したんだね」

「え、取り戻したというわけじゃないけれど、お母さんが長くつかっていた処ですから」

庭も、庭の向うに見える縄簾のかかった厠も、その上に見える離房の二階も、昔のままであった。十年も前にいったん人に取られたことは、道太も聞いていたが、おひろのまた下の妹が、そのころ別に一軒出していて、お絹は母親といっしょに、廓の外に化粧品の店を出すかたわら、廓の子供たちに踊りを教えていた。