Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ばんしゅうへいや

播州平野

宮本 百合子

Lesen Sie 播州平野 (ばんしゅうへいや) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.683 Zeichen · 214 Bildschirme

Aozora Bunko

目のとどく限り、こちら側の水嵩は低く、新道の上はうっすり白く見えた。

「裏へ出ましょう」

とっさに、きめた。

「梯子はどこにあるの? つや子さん」

「おばあちゃん、梯子どこかいの」

縫子が、

「この階段はずしてかけたらええ」

と云った。箱階段でとりはずしがきいた。

「それがいい。誠さんすみませんが、梯子、裏へかかるでしょう?」

すぐ、父子が、はしごを窓越しにかき出して、屋根へ出た。

「つやちゃん、リュックに子供たちのものとお母さんと二人の着がえ入れて」

母の書類の入った小カバンをひろ子のリュックにつめて、それは、縫子が背負った。つや子が昭夫を、しげのが治郎をおんぶした。

「大丈夫だから、ゆっくり落付いて。――すべらないように」

沢田の細君が先頭に立ち、次に母、つや子、しげのと、窓をこして屋根へ出た。石田の家が幾棟にもわかれて建てられていて、しかも、台所の屋根がずっと東へつき出ていたのは仕合わせであった。その屋根の端から、裏の家の薯畑へ梯子がかかった。

「お姉さん、おでませ」

ひろ子が、屋根へ出たあと、縫子が、ローソクを消し、皆の出たあとの窓の雨戸もひいて来た。

這う形で瓦をわたって屋根の端へ出たとき、梯子の中段まで誠がのぼって来て、畑の中にいる父親とリレーで一人一人を扶けわたした。