Japanische Klassiker mit Furigana
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ばんしゅうへいや
播州平野
宮本 百合子
Lesen Sie 播州平野 (ばんしゅうへいや) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.683 Zeichen · 214 Bildschirme
「ひどいねえ」
眺め眺めて、歩きながらひろ子は心から歎息した。
「人間の歩く道じゃあない」
その歎息は、再び石田の家の内部をさえ、この一本の軍用道路が直線に貫いてしまったのだという悲痛な思いと結ばれた。
「ね、縫ちゃん、よくきいておくれ」
ひろ子は悲しみにみちた眼の色で話した。
「つやちゃんはああいう人で、きっと、田原の人たちも不満足だろうと思う。きょうなんかだって普通じゃなかったわ、けれどもね、考えてみれば、あのひとは、お母さんがお選びになった人だからね、お母さんは自分で切ないたんびに、どんなにか自分の責任も感じていらっしゃるにちがいないのよ、そう思うだろう?」
「ええわかります」
「わたしはね、お母さんが辛がっていらっしゃるのを見ると、むらむらして来るのさ。あの、おばあちゃん、という声きくと、背中が強ばってしまうさ。でもね、わたしは、お母さんが辛棒していらっしゃる以上、もう決してとやかく云わないことにきめたの、わかる?」
「わたしも、おばさんが余りお気の毒で。……」
「お母さんの忍耐に敬意をはらって、もう決してかげでとやかくは云わないことにきめた。いい?」