Japanische Klassiker mit Furigana
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ばんしゅうへいや
播州平野
宮本 百合子
Lesen Sie 播州平野 (ばんしゅうへいや) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.683 Zeichen · 214 Bildschirme
朝鮮までの旅と云えば、まだまだ先が長い。気をせくことはいらない。そうにちがいないけれども、その暗闇のうちに充満している陽気さには、何とも云えないのびのび充実した生活の気分があった。この人々は、絶えず何かを食べ、絶えずしゃべり、夜なかじゅうそうして旅行して来ている横溢が感じられるのであった。つよくこころをひきつけられて、ひろ子は精力的な、乱雑ながやがやに耳を傾けた。
薄くらがりでじっと動かないひろ子を居睡りしているものと思って、白絹が声をかけた。
「あぶないですよ、眠られると――」
「ありがとう。――大丈夫です」
白絹が行こうとしている村は芸備沿線にあった。そこに弟の家族が住んでいた。娘のようにしている姪も二人いるのであった。
「私もまあ、運がいい方と見えてこれでどうやら無事に一段落だから、一つ弟んところへ行って少し金でもわけてやろうかと思ったりしましてね」
「本当にね、戦さで儲かったお金には、人の命がかかっているんですものね」
ひろ子も率直なもの云いをした。
「全く、ばかみたいなもんでしたなあ、私なんか、ちょいとした工場をやっていただけなんですが、それで一年も経たないうちに、小三十万儲けたんだから。