Japanische Klassiker mit Furigana
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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
Lesen Sie 支倉事件 (はせくらじけん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 204.697 Zeichen · 406 Bildschirme
「だが条件がある」
「どう云う条件ですか」
浅田は不安そうに聞き返した。
「何そうむずかしい事じゃない。刑事をね、一人君の宅へ泊り込ますのだ。そして郵便をその都度すっかり見せて貰う事にするのだ」
「随分辛い条件ですね」
浅田は暫く考えていたが、
「仕方がありません。承知しました。そうしなければどうせ帰して貰えないのだから」
「宜しい」
根岸は満足そうにうなずいた。
「そう事が極まれば早速実行するとしよう」
浅田はほっと息をついた。
彼は漸く三日間の辛い責苦を逃れる事が出来たのだった。彼は支倉に対する義理立てと支倉の妻に対する愛着から、飽くまで強情を張り通して支倉の居所に関する事は口を開くまいと思ったけれども、刑事部屋での連日の執拗な訊問はほと/\彼の精根を尽きさした。それに根岸が彼が支倉の留守宅で支倉の妻に挑みかゝった事を、薄々知っているらしい口吻を洩らすので、流石の浅田もすっかり諦めて終って、根岸の云い放題になったのだった。
「じゃ渡辺君」
根岸は渡辺刑事を呼びかけた。
「君一つ浅田と一緒に行って、支倉から手紙が来るまで泊り込んでいて呉れないか」
「好し」
渡辺はうなずいた。