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Japanische Klassiker mit Furigana

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はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

Lesen Sie 支倉事件 (はせくらじけん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 204.697 Zeichen · 406 Bildschirme

Aozora Bunko

活動小屋を出た頃には暮れ易い秋の日に、あたりは薄暗くなっていた。そこで夕食にと、支倉は貞に天どんを喰べさした。無心に天どんを喰べている少女を見て、支倉は果してどんな気持がしたであろうか。

彼は新宿からの帰途を態と山の手線の電車を選んだ。

当時貞のいる知合の家と云うのも目黒駅からそう遠くなかったので、支倉は別に疑われる事なしに彼女を誘う事が出来た。

目黒で下車した時には日はもうトップリ暮れていた。

目黒駅で下車した支倉は態と裏路を選んで、女を池田ヶ原の方へ連れ込んだ。

今でこそ目黒駅は乗降の客が群れて、中々の混雑を見せているが、大正三年頃は頗る閑散な駅で、昼間でも乗降客がせいぜい四、五人と云う有様で、ましてや夜となると乗降客は殆どなかった位である。それは大崎へ出る路は元より今のように家が立並んではいないし、表通りだけはバラ/\と家が立っているが、裏は直ぐ今云う池田ヶ原である。宵の口ではあるが、人通りなどは絶えてない。

支倉はたゞ広い草茫々と生えている野中へと進んで行った。貞は何気なくついて行く。やがて原の中央の古井戸に近づくと、支倉は態と足を遅らして、少女と肩を並べるなり、あっと云う間もなく彼女に飛びかゝって、かねて用意の手拭で絞め殺し、死体は古井戸の中へ抛り込んで終った。