Japanische Klassiker mit Furigana
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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
Lesen Sie 支倉事件 (はせくらじけん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 204.697 Zeichen · 406 Bildschirme
又、支倉が悪人であった事には異議を称える人は恐らくないであろう。
庄司署長が支倉の自白の直後に当って今少し冷静に考えて、適当な処置を取ったならば、支倉は当時にあっては署長の温情に対して感謝の涙を流し、誰の面前に於てもその事を繰返し述べていたのであるから、決して他日漫に反噬するような事もなく、庄司署長は有終の美をなしたのであろうが、こゝに少しく用意を欠いた為に、後日非常な面倒を惹起し、極一部からではあるが、署長が立身の踏台として、支倉を犠牲としたのであるなどと云われる事があったのは惜むべき事であった。
庄司署長が一身の栄達を計る為に支倉を犠牲者としたと云う非難について一言したい。
凡そ警察署長たるものは犯罪人検挙を以て重要な職務の一つとするから、どの署長でも犯罪人を踏台にして出世したと云わば云えるので、こんな事で非難されては警察署長のなり手がないであろう。要は取調べ方が辛辣だとか、無辜を強いたとか、卑怯な方法を用いたとか云う点があれば攻撃せられるのであろうが、支倉事件にはそんな点があるであろうか。
事件が事件だけに、犯人が犯人だけに、多少訊問方法に遺憾があったかも知れない。