Japanische Klassiker mit Furigana
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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
Lesen Sie 支倉事件 (はせくらじけん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 204.697 Zeichen · 406 Bildschirme
揃ったから、世論囂々、朝野の視聴を集め、支倉事件は天下の一問題となった。
能勢弁護士はどうでも神楽坂署員の首の根っ子を押えて、取っちめようと云う考え、之まで度々署長以下の喚問を願ったが、中々許可されなかった。今度も肝心の元署長で今は警視庁の官房主事をしている庄司氏は許可されなかったが、司法主任と、支倉の逮捕には最初から奔走した石子、渡辺両刑事とが喚問せられる事になったから、彼等をあくまで追求して、前後矛盾の答弁でもあったら、直ちに突ッ込んで局面を有利に転回せしめようと手ぐすね引いて待ち構えていた。
支倉は相変らず諸方へ脅迫状を送り、殊に庄司署長、石子刑事あたりへその主力を傾倒した。
鳥渡申述べて置くが、支倉が未決数年に亘り、どうして裁判其他の費用を捻出したかと云う問題だ。他の事は分らぬが、相当多額に達したであろうと思われる郵便代などは、諸方へ嫌味な手紙を出してねだったものだ。
一例を挙げると、神戸牧師夫人の所へなどは度々次のようなはがきが飛び込んで来た。
「甚だ申兼ねた御願いですが、これなるハガキ着次第どうぞ御封筒の中に三銭切手百枚御入れ御送りの上、自分出獄まで御貸与いたゞけますよう御願いいたします。