Japanische Klassiker mit Furigana
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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
Lesen Sie 支倉事件 (はせくらじけん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 204.697 Zeichen · 406 Bildschirme
「へえ――、そんな悪い人ですか」
「人相が好くないんだよ。見るから悪相なの。尤も奥さん見たいに虫も殺さない顔をしていたって当にはならないけれど」
「そんなに悪い人相なんですか」
「鳥渡お待ち、写真があるから」
お篠はゴソ/\机の抽出を探していたが、やがて一袋の古い写真を取出した。
「どうだね。之がみんな支倉さんの分さ」
「大へんありますね」
「古くからの馴染だからね。之が支倉さんさ」
「成程恐い顔ですね。之が奥さんですか」
「そうだよ。そんなのが油断がならないのだよ」
眼の前の沢山の写真をいじくっていた岸本は、ふと一葉の写真に眼を落とすとあっと驚いた。
支倉一家の写真をいじくっているうちに、ふと一葉の写真に眼を落として、岸本はあっと驚いた。それは小林貞子の写真だった。
「どうしたの」
お篠は怪しんで聞いた。
「何、何でもないのです」
「おや、やっぱり若いのが好いと見えるね」
おかみは岸本の持ってる写真を見ると、ニヤリと笑いながら云った。
「そう云う訳じゃありません」
「お生憎さま、岸本さん、その娘はもう死んだよ」
「えっ、死んだんですって?」
岸本はギクリとした。
「大そう驚くね」