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Japanische Klassiker mit Furigana

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はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

Lesen Sie 支倉事件 (はせくらじけん) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 204.697 Zeichen · 406 Bildschirme

Aozora Bunko

落胆して牛込の自宅へ帰る途中、小川町で電車を降りて、縁日で賑っている中を何か獲物でもないかとブラ/\歩いていたのだった。

「喧嘩か」

そう呟いた彼は人混みを分けたが身体が小さい方なので、容易に中が見えない。

「何ですか、喧嘩ですか」

彼は隣の人に聞いた。

「酔払がね、大人しそうな人に喧嘩を吹きかけているのですよ」

「そいつは気の毒だ。仲裁に這入りましょう。ちょっと前へ出して下さい」

そう云って石子はだん/\前へ出たが、管を巻いている酔っ払いの顔を見るとあっと驚いた。彼は支倉の行方不明になった女中の叔父、小林定次郎だった。

「おい、いゝ加減にしろ」

石子は定次郎の肩を掴まえた。

定次郎はひょろ/\しながら酔眼朦朧として、石子刑事の顔を見据たが、嬉しそうに叫んだ。

「やあ、旦那ですか」

そうして大人しくなる所か、急に元気づいて一層はしゃぎ出した。

「やあ、旦那、いゝ所へお出下せえました。さあ野郎、警察の旦那が見えたぞ。もういくらジタバタしたって駄目だ。どっちが白か、黒か、ちゃんと裁きをつけて貰うんだ。何を笑ってやがるんでえ」

彼は見物に向って呶鳴り出した。

「この旦那はお前、支倉の野郎をとっ掴まえて下さるんだ。