Japanische Klassiker mit Furigana
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しなまいのふくろ
支那米の袋
夢野 久作
Lesen Sie 支那米の袋 (しなまいのふくろ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.357 Zeichen · 50 Bildschirme
の中のどれよりもズット素敵じゃないの。女の児が支那米の袋に這入って、軍艦に乗って戦争を見物に行くなんて……ねえ……妾あんまり嬉しかったもんだから、思い切りヤングに飛び付いてやったわ。そうして無茶苦茶にキスしてやったわ。
ヤングも嬉しそうだったわよ。今までになく大きな声を出して歌を唄ったりしてね。そうして妾に、
「……それではドッサリお酒を飲みながら待っていて下さい。今夜は特別に寒いようだから、袋の中で風邪を引かないようにね。私はこれから袋を取りに行って来ますから」
って、そう云ううちに帽子を冠って外套を着て、どこかへ出て行ってしまったの。
妾、そん時に一寸心配しちゃったわ。ヤングがそのまんま逃げて行ったのじゃないかと思ってね……だけど、それは余計な心配だったのよ。ヤングは間もなくニコニコ笑いながら帰って来て妾の顔を見ると、
「……おお寒い寒い……一寸、その呼鈴を押して主人を呼んでくれませんか」
って云ったの。妾、ヤングの足があんまり早いのでビックリしちゃってね。
「まあ……今の間にもう海岸まで行って来たの……そうして袋はどこに持って来たの……」
って聞いたらヤングは唇に指を当てて青い眼をグルグルまわしながら妙な笑い方をしたの。