Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しなまいのふくろ

支那米の袋

夢野 久作

Lesen Sie 支那米の袋 (しなまいのふくろ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.357 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

誰か加勢に来たら大変と思ってね。……だけどその黒ん坊も、ウンともスンとも云わなかったようよ。おおかた一人で妾をどこかへ担いで行って、どうかしようと思ったのでしょう。暴れまわる妾を何遍も何遍も抱え上げかけては、床の上に取り落し取り落ししたので、そのたんびに妾は気が遠くなりかけたようよ。

だけど、それでも妾は声を立てなかったの。そうしてヤッサモッサやっているうちに、どうした拍子か袋の口が解けて、両足が腰の処までスッポンと外へ脱け出した事がわかったの……。

それに気が付いた時に妾がどんなに勢よく暴れ出したか……アラ又……笑っちゃ嫌って云うのに……ソレどころじゃなかったわよ、ソン時の妾は……何でもいいから……足が折れても構わないからこの黒ん坊を蹴殺して、その間に袋から脱け出してやろうと思って、頭でも、顔でも、胸でもどこでも構わずに蹴って蹴って蹴飛ばしてやったわ。……ええ……黒ん坊も一生懸命だったようよ。袋の上からシッカリと組み付いて来て、片っ方の手で妾の両足を押えようとするのだけども、妾の両足を一緒に掴まえる事はなかなか出来ないし、片っ方だけ捉まえても妾が死に物狂いで蹴飛ばしてやったもんだから、しまいにはセイセイ息を弾ませて、妾の足と掴み合い掴み合いしながらあっちへ転がり、こっちへ蹴飛ばされしていたようよ。