Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうしんきょうじゅ
放心教授
森 於菟
Lesen Sie 放心教授 (ほうしんきょうじゅ) von 森 於菟 (もりおと) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.647 Zeichen · 10 Bildschirme
そして受け取った銀貨や銅貨を蟇口の中にザラザラしまい込むとやっと用がすんだという気分になってそのまま店を出てゆくのである。驚くのは店の子僧やおかみさんで水菓子の袋や絵本の包み、時によっては煮豆佃煮の類の竹の皮入れを持って私のあとを追いかける。先にいった権利と義務のうち、無意識に私を強く支配するものが義務の方らしいのでたいがいは買ったものを忘れるが稀に義務の方を忘れ、金を払ったつもりで包みだけぶらさげて出そうになることがある。この時は万引きみたいではなはだきまりの悪いおもいをするが私の態度が明らかに間が抜けているとみえて警官を煩わすほどの事件を惹き起したことは幸いにまだ一度もない。
学生の時徴兵猶予願いを忘れて、これはお上のことに属するので何とも始末のつけようがなく、よんどころなく一般壮丁とならんで褌を一着に及び検査をうけたことはいつか書いたことがあった。結婚式の日には教室で実験していて時間を忘れていた。宅から猛烈な催促の電話をうけて忙てて帰って礼服を着て大神宮にまかり出た。その時の記念写真を見るとフロックコートはつけているがカラーは平日のダブルのままであった。