Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいだんじゅうにそう

政談十二社

泉 鏡花

Lesen Sie 政談十二社 (せいだんじゅうにそう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.626 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

そういたしますとね、日頃お出入の大八百屋の亭主で佐助と申しまして、平生は奉公人大勢に荷を担がせて廻らせて、自分は帳場に坐っていて四ツ谷切って手広く行っておりまするのが、わざわざお邸へ出て参りまして、奥様に勧めました。さあこれが旦那様、目黒、堀ノ内、渋谷、大久保、この目黒辺をかけて徘徊をいたします、真夜中には誰とも知らず空のものと談話をしますという、鼻の大きな、爺の化精でございまして。」

八

「旦那様、この辺をお通り遊ばしたことがございますなら、田舎道などでお見懸けなさりはしませんか。もし、御覧じましたら、ただ鼻とこう申せば、お分りになりますでございましょう。」

判事はちょっと口を挟んで、

「鼻、何鼻の大きい老人、」

「御覧じゃりましたかね。」

「むむ、過日来る時奇代な人間が居ると思ったが、それか。」

「それでございますとも。」

「お待ち、ちょうどあすこだ、」と判事は胸を斜めに振返って、欄干に肱を懸けると、滝の下道が三ツばかり畝って葉の蔭に入る一叢の藪を指した。

「あの藪を出て、少し行った路傍の日当の可い処に植木屋の木戸とも思うのがある。」

「はい、植吉でございます。