Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

せいだんじゅうにそう

政談十二社

泉 鏡花

Lesen Sie 政談十二社 (せいだんじゅうにそう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.626 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

「しっかりしておくれ、お米さん、しっかりしておくれよ、ねえ。」

お米はただ切なそうに、ああああというばかりであったが、急にまた堪え得ぬばかり、

「堪忍よう、あれ、」と叫んだ。

「堪忍をするから謝罪れの。どこをどう狂い廻っても、私が目から隠れる穴はないぞの。無くなった金子は今日出たが、汝が罪は消えぬのじゃ。女、さあ、私を頼め、足を頂け、こりゃこの杖に縋れ。」と蚊の呻くようなる声して、ぶつぶついうその音調は、一たび口を出でて、唇を垂れ蔽える鼻に入ってやがて他の耳に来るならずや。異様なる持主は、その鼻を真俯向けに、長やかなる顔を薄暗がりの中に据え、一道の臭気を放って、いつか土間に立ってかの杖で土をことことと鳴していた。

「あれ。」打てば響くがごとくお米が身内はわなないた。

堪りかねて婆さんは、鼻に向って屹と居直ったが、爺がクンクンと鳴して左右に蠢めかしたのを一目見ると、しりごみをして固くお米を抱きながら竦んだ。

「杖に縋って早や助かれ。女やい、女、金子は盗まいでも、自分の心が汝が身を責殺すのじゃわ、たわけ奴めが、フン。我を頼め、膝を抱け、杖に縋れ、これ、生命が無いぞの。