Japanische Klassiker mit Furigana
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せいだんじゅうにそう
政談十二社
泉 鏡花
Lesen Sie 政談十二社 (せいだんじゅうにそう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.626 Zeichen · 48 Bildschirme
むむ、思ったばかり罪はないよ、たとい、不思議なものの咎があっても、私が申請けよう。さあ、しっかりとつかまれ。私が楯になって怪いものの目から隠してやろう。ずっと寄れ、さあこの身体につかまってその動悸を鎮めるが可い。放すな。」と爽かにいった言につれ、声につれ、お米は震いつくばかり、人目に消えよと取縋った。
「婆さん、明を。」
飛上るようにして、やがてお幾が捧げ出した灯の影に、と見れば、予言者はくるりと背後向になって、耳を傾けて、真鍮の耳掻を悠々とつかいながら、判事の言を聞澄しているかのごとくであった。
「安心しな、姉さん、心に罪があっても大事はない。私が許す、小山由之助だ、大審院の判事が許して、その証拠に、盗をしたいと思ったお前と一所になろう。婆さん、媒妁人は頼んだよ。」
迷信の深い小山夫人は、その後永く鳥獣の肉と茶断をして、判事の無事を祈っている。蓋し当時、夫婦を呪詛するという捨台辞を残して、我言かくのごとく違わじと、杖をもって土を打つこと三たびにして、薄月の十日の宵の、十二社の池の周囲を弓なりに、飛ぶかとばかり走り去った、予言者の鼻の行方がいまだに分らないからのことである。