Japanische Klassiker mit Furigana
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せいだんじゅうにそう
政談十二社
泉 鏡花
Lesen Sie 政談十二社 (せいだんじゅうにそう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.626 Zeichen · 48 Bildschirme
」
小山判事は苦笑をして、
「串戯をいっては不可ん、私は学生だよ。」
「あら、あんなことをおっしゃって、貴方は何ぞの先生様でいらっしゃいますよ。」
「まあその娘がどうしたというのだ。」と小山は胡坐をどっかりと組直した。
落着いて聞いてくれそうな様子を見て取り、婆さんは嬉しそうに、
「何にいたせ、ちっとでもお心に留っておりますなら可哀そうだと思ってやって下さいまし。こうやってお傍でお話をいたしますのは今日がはじめて。私どもへお休み下さいましたのはたった二度なんでございますけれども、他に誰も居りませず、ちょうどあの娘が来合せました時でよくお顔を存じておりますし、それにこう申してはいかがでございますが、旦那様もあの娘を覚えていらっしゃいますように存じます。これも佳い娘だと思いまする年寄の慾目、人ごとながら自惚でございましょう、それで附かぬことをお話し申しますようではございますけれども旦那様、後生でございます、可哀相だと思ってやって下さりまし。」と繰返してまた言った。かく可哀相だと思ってやれと、色に憂を帯びて同情を求めること三たびであるから、判事は思わず胸が騒いで幽に肉の動くのを覚えた。