Japanische Klassiker mit Furigana
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さんげ
散華
Lesen Sie 散華 (さんげ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.172 Zeichen · 21 Bildschirme
肺がわるかったようである。けれども自分のその病気に就いては、あまり私に語らなかった。
「においませんか。」と或る日、ふいと言った事がある。「僕のからだ、くさいでしょう?」
その日、三井君が私の部屋にはいって来た時から、くさかった。
「いや、なんともない。」
「そうですか。においませんか。」
いや、お前はくさい。とは言えない。
「二、三日前から、にんにくを食べているんです。あんまり、くさいようだったら帰ります。」
「いや、なんともない。」相当からだが、弱って来ているのだな、とその時、私にわかった。
三井は、からだに気をつけなけりゃいかんな、いますぐ、いいものなんか書けやしないのだし、からだを丈夫にして、それから小説でも何でも、好きな事をはじめるように、君から強く言ってやったらどうだろう、と私は、三井君の親友にたのんだ事がある。そうして、三井君の親友は、私のその言葉を三井君に伝えたらしく、それ以来、三井君は私のところへ来なくなった。
私のところへ来なくなって、三箇月か四箇月目に三井君は死んだ。私は、三井君の親友から葉書でその逝去の知らせを受けたのである。このような時代に、からだが悪くて兵隊にもなれず、病床で息を引きとる若いひとは、あわれである。