Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶんしょう
文章
Lesen Sie 文章 (ぶんしょう) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.765 Zeichen · 14 Bildschirme
昼夜兼行に勉強しても、元来仕事に手間のかかる彼には出来上るかどうか疑問である。保吉はいよいよ弔辞に対する忌いましさを感じ出した。
この時大きい柱時計の静かに十二時半を報じたのは云わばニュウトンの足もとへ林檎の落ちたのも同じことである。保吉の授業の始まるまではもう三十分待たなければならぬ。その間に弔辞を書いてしまえば、何も苦しい仕事の合い間に「悲しいかな」を考えずとも好い。もっともたった三十分の間に資性穎悟にして兄弟に友なる本多少佐を追悼するのは多少の困難を伴っている。が、そんな困難に辟易するようでは、上は柿本人麻呂から下は武者小路実篤に至る語彙の豊富を誇っていたのもことごとく空威張りになってしまう。保吉はたちまち机に向うと、インク壺へペンを突こむが早いか、試験用紙のフウルス・カップへ一気に弔辞を書きはじめた。
× × ×
本多少佐の葬式の日は少しも懸け価のない秋日和だった。保吉はフロック・コオトにシルク・ハットをかぶり、十二三人の文官教官と葬列のあとについて行った。その中にふと振り返ると、校長の佐佐木中将を始め、武官では藤田大佐だの、文官では粟野教官だのは彼よりも後ろに歩いている。