Japanische Klassiker mit Furigana
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いけぶくろのかい
文藝別冊[総特集]岡本綺堂
岡本 綺堂
Lesen Sie 文藝別冊[総特集]岡本綺堂 (いけぶくろのかい) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.671 Zeichen · 149 Bildschirme
本身ではなかったのでございます。
半七 それがいつの間にか本身に変っていたのか。(再び一座を見まわして考えている。)
三津平 今も云っているところですが、どうも魔がさしたとしか思われませんよ。
半七 まったく魔がさしたのかも知れねえな。(刀をながめて再び考えている。)
(下のかたより角太郎の妹おてる、十六七歳。仲ばたらきお冬、十七八歳。あわてていず。)
おてる もし、兄さんがどうかしたのかえ。
お冬 若旦那様がお怪我をなすったそうですが……。(倒れている角太郎を見て駈けよる。)もし、若旦那。どうなすったんですよ。(泣き声になって呼ぶ。)もし、若旦那……若旦那……。
与兵衛 これ、これ、親分さんもいらっしゃる。まあ、静かにしろ、静かにしろ。
お冬 でも、若旦那がこんなになって……。
おさき まあ、まあ、あとで判ることだよ。
(おさきは眼で制する。お冬は泣いている。)
半七 時にお医者はまだ来ませんかね。
長次郎 すぐに来るということでしたが、なにをしているのかな。
おさき おまえの云いようが悪いのじゃあないか。
長次郎 いいえ。若旦那が大怪我をしたから、すぐに来てくれろとよく云ったのでございます。