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Japanische Klassiker mit Furigana

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いけぶくろのかい

文藝別冊[総特集]岡本綺堂

岡本 綺堂

Lesen Sie 文藝別冊[総特集]岡本綺堂 (いけぶくろのかい) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.671 Zeichen · 149 Bildschirme

Aozora Bunko

(第一幕より六日目の朝。子分の亀吉が表を掃いている。向うより半七の妹おくめが先に立っていず。おくめは神田の明神下に住む常磐津の師匠で、文字房という若い女。おくめのあとより三十七八歳の女が附いて来る。これはおなじ師匠で、下谷に住む文字清という女、色は蒼ざめ、眼は血走って、よほど取り乱したていである。)

おくめ 亀さん、お早う。

亀吉 やあ、明神下のお師匠さん。早いね。

おくめ かせぎ人は違うのさ。(笑う。)

亀吉 まったくだ。まあ、おはいんなせえ。(云いながら文字清をじろじろ見る。)

おくめ 兄さんは家にいるの。

亀吉 おかみさんは朝まいりに出かけたが、親分はいますよ。なに、もうとうに飯を食って、顔を洗って起きているのさ。

おくめ おまえさんの云うことは逆さまだねえ。まあ、なにしろ御免なさいよ。

亀吉 さあ、さあ、通んなせえ。(格子の内に入りて呼ぶ。)おい、おい、親分。明神下のお師匠さんが来ましたぜ。

おくめ (文字清をみかえる。)さあ、遠慮なしにおはいんなさいよ。

文字清 はい。

(台所より女中おみのが出て、手あぶりの火鉢に火を入れたりする。おくめと文字清は内に入りて坐る。