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Japanische Klassiker mit Furigana

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いけぶくろのかい

文藝別冊[総特集]岡本綺堂

岡本 綺堂

Lesen Sie 文藝別冊[総特集]岡本綺堂 (いけぶくろのかい) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.671 Zeichen · 149 Bildschirme

Aozora Bunko

僕は寝ころびながら、その笑い声をきいていた。

そのうちにゆう飯の膳を運んで来たので、僕はうす暗いランプの下で箸をとった。飯を食ってしまって縁側へ出てみると、黒い山の影がひたいを圧するようにそそり立って、大きい星が空いっぱいに光っていた。どこやらで水の音がひびいて、その間に機織虫の声もきれぎれに聞こえた。

「山国の秋だ。」

こう思いながら僕は蚊帳にはいった。昼の疲れでぐっすり寝入ったかと思うと、騒がしい物音におどろかされて醒めた。

かの学生達はなんのために山椒の魚を買ったのかということが今わかった。かれらは動物学研究のためでも何でもない。下座敷に泊まっている三人の女学生をおどそうという目的で、かの奇怪な動物を買い込んだのであった。若い女学生たちは下座敷のひとつの蚊帳のなかに寝床を並べている。その枕もとへ山椒の魚をそっと這い込ませて、彼女らにきゃっと言わそうという悪いたずらで、学生のひとりは夜の更けるのを待って、新聞紙に包んだ山椒の魚を持って下座敷へ忍んで行って、それが首尾よく成功したらしく、かの女学生たちは夜なかにみんな飛び起きて悲鳴をあげるという大騒ぎを惹き起こしたのであった。