Japanische Klassiker mit Furigana
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いけぶくろのかい
文藝別冊[総特集]岡本綺堂
岡本 綺堂
Lesen Sie 文藝別冊[総特集]岡本綺堂 (いけぶくろのかい) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.671 Zeichen · 149 Bildschirme
そのうちにどこかで一番鶏が歌い始める。「お前も迷惑だろうから、もう帰ったらよかろう。」と吉五郎が言う。ぬくめ鳥のような六三郎はようよう荒鷲の爪から放されて、たくさんの祝儀を貰って、元のように子分たちに送られて帰りました。
宿の方では六三郎が連れて行かれたというのを聞いて、太夫元は勿論、一座の者も色を変えて心配していたのですが、ともかくも無事に帰されて来たので、みんなも先ずほっと息をつきました。六三郎は命拾いをして気がゆるんだのか、それとも過度の恐怖に打たれたのか、まるで狐の落ちた人のように唯けろりとしているばかりで、さのみ嬉しそうな顔もしていませんでした。
六三郎はあくる日の午過ぎまで他愛もなく眠っていました。時々に怖い夢にでもおそわれたように唸っていました。しかしそういつまでも寝かしても置かれませんから、一つ座敷の広助がゆり起こして、顔を洗わせる、飯を食わせる。六三郎もこれでどうやら正気が付いたようでした。秋の日は早く暮れて、もう楽屋入りの時刻が来たので、六三郎は蒼ざめた顔を白粉にぬり隠して、薄暗い舞台の上で、ゆうべ通りに八重とおこんとを勤めました。