Japanische Klassiker mit Furigana
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しゃこう
斜坑
夢野 久作
Lesen Sie 斜坑 (しゃこう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.977 Zeichen · 39 Bildschirme
とか何とか喚き立てながら、口を割るようにして、日陽臭いなおし酒を含ませたので、福太郎は見る見る顔が破裂しそうになるくらい真赤になってしまった。平生から無口なのがイヨイヨ意気地が無くなって盃を逃げ逃げ後退りをして行くうちに、部屋の隅の押入の半分開いた襖の前に横倒しになって、涙ぐんだ眼をマジリマジリと開いたり閉じたりしながら、手を合わせて盃を拝むようになった。
すると集まった連中は、これで御本尊が酔い倒れたものと思って満足したらしい。盃を押しつけに来る者がヤット無くなって、後は各自勝手に差しつ差されつする。その中にお作がタッタ一人の人気者になって、手取り足取りまん中に引っぱり出されて、八方から盃を差されたり、お酌をさせられたりしていたが、そのうちにいつの間にかお作自身が酔っ払ってしまったらしい。白い脂切った腕を肩までマクリ上げると、黄色い声で相手構わず愛嬌を振り撒きはじめた。
「サア持って来なさい。茶碗でも丼でも何でもよか」
「アハハハ。お作どんが景気付いたぞい」
「今啼いた鴉がモウ笑ろた。ハハハハ」
「ええこの口腐れ。一杯差しなさらんか」
「ようし。そんならこのコップで行こうで」