Japanische Klassiker mit Furigana
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きられたさに
斬られたさに
夢野 久作
Lesen Sie 斬られたさに (きられたさに) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.352 Zeichen · 41 Bildschirme
平馬の顔の真正面に、黒い大きな眼玉を据えていたが、話が一通り済むと静かに眼を閉じて腕を組んだ。
「……迂濶な事を致しましたのう。その奥方様に私が自身でお眼にかかっておりましたならば、何とか致しようも御座いましたろうものを……若い者の鳥渡した出入を納めに参いっておりまする間に、飛んだ無調法を忰奴が……」
「イヤ。無調法と申す程の事でもない……が……御子息というと……」
「ヘヘ。最前お背中を流させました奴で……」
「ああ。左様か左様か。それは慮外致した」
「どう仕りまして……飛んだ周章者で御座います。御仁体をも弁えませず、御都合も伺いませずに斯様な事を取計らいまして……」
平馬は又も赤面させられた。
「アハハハ……その心配は無用じゃわい。すでに小田原でも一度あった事じゃからのう。つまるところ拙者の不覚じゃわい……」
「勿体のう御座りまする」
「……しかし供を連れた奥方姿というと話があまり違い過ぎるでのう。世間慣れた御亭主に聞いたら様子が解りはせんかと思うて、実は迷惑を頼んだのじゃが」
「恐れ入りまする。お言葉甲斐もない次第で御座りまするが、只今のような不思議なお話を承りましたのは全くのところ、只今がお初で御座りまする。