Japanische Klassiker mit Furigana
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きられたさに
斬られたさに
夢野 久作
Lesen Sie 斬られたさに (きられたさに) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.352 Zeichen · 41 Bildschirme
「おおさ。話いたらお手前の不覚になるところであった」
「……ハッ……」
何かしらカーッと頭に上って来るものを感じた平馬は又も両手を畳に支いた。それを見ると一柳斎は急に顔色を柔らげて盃をさした。
「アハハ……イヤ叱るのではないがのう。つまるところお手前はまだ若いし、拙者のこれまでの指南にも大きな手抜かりがあった事になる」
「いや決して……万事、私の不覚……」
「ハハ。まあ急かずと聞かれいと云うに……こう云えば最早お解かりじゃろうが、武辺の嗜みというものは、ただ弓矢、太刀筋ばかりに限ったものではないけにのう……」
「……ハ……ハイ……」
「人間、人情の取々様々、世間風俗の移り変りまでも、及ぶ限り心得ているのが又、大きな武辺のたしなみの一つじゃ。それが正直一遍、忠義一途に世の中を貫いて行く武士のまことの心がけじゃまで……さもないと不忠不義の輩に欺されて一心、国家を過つような事になる。……もっともお手前の今度の過失は、ほんの仮初の粗忽ぐらいのものじゃが、それでもお手前のためには何よりの薬じゃったぞ」
「……と仰せられますると……」
「まま。待たれい。それから先はわざと明かすまい。