Japanische Klassiker mit Furigana
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きられたさに
斬られたさに
夢野 久作
Lesen Sie 斬られたさに (きられたさに) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.352 Zeichen · 41 Bildschirme
を踏倒おして逃げ失せおった。そこでその友川の枕元に馳付けた兄弟二人が、父の遺言を書取って、仇討の願書を差出したものじゃが、しかしその友川某という侍は兄弟二人切りしか子供を持っておらぬ。その中でも兄の方は、とりあえず家督を継ぐには継いだが、病弱で物にならぬ。その代り弟の方が千葉門下の免許取りであったからそれに御免状が下がった……というのが実説らしいのじゃ。不覚な免許取りが在ったものじゃが、つまるところ、そこから間違いの仇討が初まった訳じゃ……その第一の証拠には、その旗本が斬られたという五月の頃おい、拙者はまだこの福岡に在藩しておったからのう……ハハハ。とんと話にならん話じゃが……」
耳を傾けていた佐五郎老人はここで突然にパッタリと膝を打った。晴れ晴れしく点頭いた
「ああ。それで漸々真相が解かりましたわい。実は私も見付の在所で、お下りのお客様からそのお噂を承りまして聊か奇妙に存じておりましたところで……と申しますのはほかでも御座いませぬ。この節のお江戸の市中は毎日毎日斬捨ばかりで格別珍らしい事ではないと申しますのに、只今のお話だけが馬場先の返討と申しまして、江戸市中の大層な評判……」