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Japanische Klassiker mit Furigana

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きられたさに

斬られたさに

夢野 久作

Lesen Sie 斬られたさに (きられたさに) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.352 Zeichen · 41 Bildschirme

Aozora Bunko

「ああいやいや……」

平馬は非道く赤面しながら手をあげた。

「……その御会釈は分に過ぎまする。申後れましたが拙者は筑前黒田藩の石月と申す……」

「……あの……黒田藩の……石月様……」

といううちに若侍は顔を上げて、平馬の顔をチラリと見た。しかし平馬は何の気も付かずに、心安くうなずいた。

「さようさよう。平馬と申す無調法者。御方角にお見えの節は、お立寄り下されい」

「忝のう存じまする。何分ともに……」

若侍は又も、いよいよ叮重に頭を下げた。

「……何はともあれこのままにては不本意に存じまするゆえ、御迷惑ながら小田原の宿まで、お伴仰せ付けられまして……」

「ああ……イヤイヤ。その御配慮は御無用御無用。実は主命を帯びて帰国を急ぎまするもの……お志は千万忝のうは御座るが……」

「……御尤も……御尤も千万とは存じまするが、このままお別れ申してはいつ、御恩返しが……」

「アハハ。御恩などと仰せられては痛み入りまする……平に平に……」

「……それでは、あの……余りに御情のう……おなじ御方角に参りまする者を……」

「申訳御座らぬが、お許し下されい。……それとも又、関所の筋道に御懸念でも御座るかの……慮外なお尋ね事じゃが……」