Japanische Klassiker mit Furigana
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だんきょうきぶん
断橋奇聞
田中 貢太郎
Lesen Sie 断橋奇聞 (だんきょうきぶん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.144 Zeichen · 25 Bildschirme
老婆はもう泣くのをやめていた。
「それは、わけはありません、私の姪が棺屋をしておりますから、李夫といいますが、あれに二人入る棺をこしらえさして、夜、そっと持ちだして葬ったら、何人にも知らさずにすみますよ」
劉万戸は夫人と相談して施十娘に三十両の銀子をわたした。施十娘はその金を持って姪の許へ往って耳うちした。
そこで棺屋の李夫は、急いで大きな棺をつくり、二三人の者にそれを舁がして、その日の黄昏時、劉家の裏門へ忍んで往くと、門口には春嬌が待っていて戸を開けて内へ入れた。
そして、棺は家の内へ運ばれたが、ひとまず棺舁どもは外に出されて李夫が一人残り、そこにあった男女二人の死骸を棺の中へ収めた。収め終ると、夫人が泣く泣く秀英の首飾や花簪児の類を持ってきてその中へ入れた。李夫はその容を盗むように視ていた。
やがて棺桶は持ちだされて、天笠山の麓へ運ばれ、同地の風習に従って軽く棺の周囲に土を被せかけて葬られた。
そこには月の光があって、荒涼とした四辺の風物を見せていた。埋葬が終ると李夫は皆にすこしずつの銭をやった。
「おれは、跡をきれいにしてけえるから、おめえだちはさきへけえっとれ」