Japanische Klassiker mit Furigana
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にいづまのしゅき
新妻の手記
豊島 与志雄
Lesen Sie 新妻の手記 (にいづまのしゅき) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.807 Zeichen · 22 Bildschirme
母なら、万事先のことを心得てるし、もともと伯父さまからも母への頼みなのである。
吉川も少し当惑してる風だった。
「どうしてお母さまはお嫌なんでしょう。」と私は尋ねてみた。「なにか気まずいことでもおありになるのかしら。」
「そんなことはない筈だ。いつも往き来してるんだからね。」
「忙しいのがお嫌な筈もありませんわね。働くことが好きだと言っていらしたんですもの。」
「むしろ、何にもしないでじっとしてるのが嫌な方だよ。」
「あたしによその家を見学させるおつもりでもないでしょう。」
「そんなことはないだろう。」
「よその家に泊るのがお嫌なのかしら。」
「僕もそうかと思って、聞いてみたら、駒込の内には二度ばかり泊ったことがあるじゃないかと、逆襲されちゃったよ。」
「あたしには分らないわ。」
「僕にもよく分らない。だが、長く家を空けるのが嫌なのかも知れない。一日か二日ならいいけれどねえと、お母さんは言ったよ。」
とにかく、母の気持ちを穿鑿したってどうにもならないことだった。そして結局、私が代りに行くことを承諾するより外はなかった。然し伯父さまの方へは、その旨を打ち合せておかなければいけなかった。