Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.757 Zeichen · 375 Bildschirme
総構えに拠っている甲冑のむらがりは、茫然と、この一箇の振舞いに気をのまれていた、――また、利家父子の姿も、ほとんど時をひとつに、彼方から駈けて来た。
そして、相近づくや、
「おおこれはこれは」
「やあ、又左か」
というようなわけである。巧むのでもなく、強いていうのでもない。年来の友と友とのありのままに、
「どう召された」
と、一方がいえば、一方の又左衛門利家も、
「どうもせぬわ」
と、一笑に云い放ち、
「まず、こうござれ」
と、子息利長と共に、先に立って、本丸内へ迎え入れた。
しかも、わざと、かたくるしい大玄関は避けて、露地門を押開き、庭づたいに、杜若の紫を見、白つつじの咲く間を縫い、奥書院へじかに導いて行くふうだった。
これはまったく内輪の客あつかいといっていい。むかし、垣一重の隣り合わせに住んでいた頃の往来も、こうだったのである。秀吉もまた、この粗にして親しい扱いを、むかし懐かしくよろこびながら、やがて利家が、
「さあ、これへ」
と、書院の上に請じても、わらじを解かず、佇み見まわして、
「彼方の囲い内に見ゆる一棟は、お台所らしいが」
と訊ね、利家が、そうだと答えると、