Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.757 Zeichen · 375 Bildschirme
「満足満足。ねがわくば、この上にもじゃが、茶を一」
と求めた。
亭には、用意がある。夫人はすぐそこへ寄って、汲み出して一※(「怨」の「心」に代えて「皿」、第3水準1-88-72)を供した。
「さて、御内儀」
と、秀吉はそれを服みながらの談合顔でいう。
「いろいろ、お造作にあずかったが、事のついでに、これより御亭主の又左どのを雇うて参りたいが、どうあろう、女房どのには」
あっさりした話である。
が、もしこれを、羽柴方から前田家への、正面からの交渉と仮定してみたら、問題はまことに重大である。
当然、武門としての、体面上の問題も起り得るし、内部的には、意見の分裂も生じない限りはない。下手をすれば、成るか成らぬかの極めて危険な状態にも立ち至るだろう。何分、城壁ひとえの内と外では、両勢とも満を持して、いつでも火ぶたを切るばかりに対峙しているところである。なお第一には、それでは多くの“時”を要する。
「ホ、ホ、ホ、ホ」
夫人は、晴れやかに笑った。
そしていうのであった。
「久しぶりに、亭主を借せ、のお口癖を伺いました。むかしから、宿の亭主を借りてゆくぞ――は、あなた様の、毎度の奥の手でいらっしゃいましたが」