Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.757 Zeichen · 375 Bildschirme
の態を、誘降の敵使に示し、敵使のどぎもを抜いて追い返した――あの若き権六勝家の気概や、いま何処にある?
なお。
長光寺城中の実状、いよいよ水に窮し、兵馬みな渇して、乾き死なんとするや、蓄蔵の大瓶三個の水を、枯喪して生色なき城兵のまん中に担ぎ出させ、
(卿ら、渇望の水、飽くほど飲むべし。これやこれ、末期の水ぞ)
と、その貪るにまかせ、兵みな唇を雫し、眼底を濡らすを見るや、大薙刀の石づきを、なお余せる巨瓶の腹にさし向け、
(瓶よ聞け、われら武門、いやしくも水に窮して、枯魚の如く死ぬべきや――。渇かば啜るべし、敵兵万斛の血しお!)
と、豪語し、その大瓶を、粉ともなれとばかり、突き砕いた上、
(それ、出よ)
と、城門を押し開いて、敵中へ斬り込み、必死一千の鎬の火、却って八千の大軍を走らせ、死ぬべく斬って出た道を、却って、凱歌の大道として、意気揚々本国へ還って来たという――ああ、当年の瓶破柴田の名は、そも、いまは何処に褪せ去ったか。
今日の城方といえ、寄手といえ、もとはみな同じ織田麾下の将士である。勝家のむかしを知らぬ者はない。それだけに感無量なものがあった。