Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.757 Zeichen · 375 Bildschirme
とは……」
「いや、又左どのは、御幸運でござったよ」
「ははは、何の、播磨どのこそ、またなき命拾いをなされたのじゃ。――以後のお首は儲けものと申すもの。そのつもりで、今日はしたたかに参られい」
と、座中一番の大盃を酌人に取らせて、播磨守の手にもたせた。
「これはこれは、冥加至極」
越後武者で、五合入りや一升入りに怯むものはない。
播磨守は、雫も余さずのみほした。
あなた、こなた、思い思いに座を寄せて歓語していた人々も、みなその飲み振りをながめていたが思わず、
「や。――見事」
と、諸方でいった。
秀吉も、見て、
「播磨。もひとつ」
と、傍らの飾り盃を取った。
それは、上戸が見ただけでも、ちょっと首を傾けそうなもので、前城主の玄蕃允が、勝家から拝領したという由来のある城付きの大盃だった。
播磨守は、仰ぎ見て、
「ありがとう存じまする」
と、拝したが、酌人が、秀吉の手からそれを取次いで来ようとすると、
「少々、お待ち下さい」
と、押し留めた。
「その御盃なれば、ぜひ、他にいただかせたい者がおりますが……その者に、お遣わし給われば、一だんと、忝うござりますが」
と、やや改まっていった。