Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.757 Zeichen · 375 Bildschirme
「それは聞き及んでおりまする。信長様が安土に御普請を起された頃にも、秀吉と又左どのとは、垣を隣りして、仮屋敷をもち、夏など、褌一つで、両人が夕顔の下に筵をのべ、高笑いして、夕餉など一つに喰べていた様を、よくわれらも見かけ申したことでござりました」
「そういう仲ということもあるし、かたがた、又左衛門利家というものは、われら宿老よりは、末輩に相違ないが、何というても、織田家の直臣じゃ。羽柴、池田、蒲生、佐々などと同列の遺臣のひとりじゃ。久しく、北国の陣にあって、この勝家の麾下に属しおるも、要するに信長公の命によって、柴田軍の一翼に参じおる者。――これを今、猿めの所へ、使いとしてやるは、果たして、策を得たものか、どうじゃ。……実は、後になって、その辺がふと案じられて来たので、急に、まいちどその方どもに諮ってみるわけじゃが」
「ご心配はございますまい」
「ないか」
「毛頭」
拝郷五左衛門は云った。
「又左の所領、能登七尾の十九万石も、子息利長の領地越前府中の三万石も、共に、御当家の領国と、われら腹心の者の城々に囲まれておりまする。秀吉とは、地勢の上で、左様に絶縁されております上に、彼の妻子眷族は、いやでも府中と七尾にのこして参らねばならぬこと――。