Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.757 Zeichen · 375 Bildschirme
それにもみあげの毛がもじゃもじゃと長いのもこの人の特徴に見えた。
「たしか、筑前は余り、飲けなかったの」
「筑前。ああ、あれは弱い。すぐ赤うなって、酒には意気地ござらぬ」
「が、若い頃は、ずいぶん彼とは、夜歩きを共にされたらしいが」
「いや遊ぶにかけては、あの猿冠者のほうが、飽きもせず、達者でおざった。此方は飲むばかり、飲めばどこへでも、他愛のう寝てしもうたが」
「近頃も、筑前とは、よほど御入魂なことであろうの」
「いやいや。世に、遊び友達などというものほど、あてにならぬものはおざらぬ」
「左様かなあ」
「柴田どのには、お覚えはないか。若い頃には、誰でもある。飲む、喰う、唄う、夜を歩き明かす。そういう時の友達は、手で首を絡みあい、親兄弟にも語らぬことも打ち明けなどして、真底の交わりとも、その時は思うが、時経ち、互いに必死の世の中へ働き出し、やがて主をもち家をもち妻や子まで持つにいたり、久しき後に相見るなれば、部屋住み頃の心とは、双方が甚だちがうものでおざる。――世を観る考え、人を観る眼、すべての思想も、以後育って、以前の彼に非ずわれに非ず、ただむかしの如く軽んじ合うことのみ残されるからでおざろう。