Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme

Aozora Bunko

元気を出して、どんな場合にでも、弱ってしまってはならない。小さな店屋で、瓦煎餅を一箱買うと、私は古ぼけた兵庫の船宿で高松行きの切符を買った。やっぱり国へかえりましょう。――透徹した青空に、お母さんの情熱が一本の電線となって、早く帰っておいでと私を呼んでいる。私は不幸な娘でございます。汚れたハンカチーフに、氷のカチ割りを包んで、私は頬に押し当てていた。子供らしく子供らしく、すべては天真ランマンに世間を渡りましょう。

*

(十月×日)

呆然として梯子段の上の汚れた地図を見ていると、夕暮れの日射しのなかに、地図の上は落莫とした秋であった。寝ころんで煙草を吸っていると、訳もなく涙がにじんで、何か侘しくなる。地図の上ではたった二三寸の間なのに、可哀想なお母さんは四国の海辺で、朝も夜も私の事を考えて暮らしているのでしょう――。風呂から帰って来たのか、階下で女達の姦しい声がする。妙に頭が痛い。用もない日暮れだ。

寂しければ海中にさんらんと入ろうよ、

さんらんと飛び込めば海が胸につかえる泳げば流るる

力いっぱい踏んばれ岩の上の男。

秋の空気があんまり青いので、私は白秋のこんな唄を思い出した。