Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
」と云うなり。いまは二十二で、九つの子供のあるお君さんは、子供が恋人だとも言っていた。ふしあわせなお君さんである。養母の男であったのが、今の御亭主になって十年もお君さんはその男の為めに働いて来たのだと云う。十年も働きあげたと思うと、カフエーの女給を妾に引き入れてみたり、家の中は一人の男をめぐって、彼女に妾に養母さんと云った不思議な生活だった。彼女は、「私、本当に目をおおいたくなる時があってよ。」と涙ぐむ時がある。どんなにされても、一人の子供の為めに働いているお君さんの事を考えると、私の苦しみなんて、彼女から言えばコッケイな話かも知れない。
「電気を消して下さい!」
独逸人はしまり屋だと云うけれど、マダム・ロアが水色の夜の着物を着て私達の部屋を覗きにくるのだ。電気の消えたせまい部屋の中で、私はまるでお伽話のような蛙の声を聞いた。東京の生活の事、お母さんの事、これからさきの事、なかなか眠れない。
(四月×日)
九つになるお君さんの上の子供が一人でお君さんをたずねて来た。港では船がはいって来たのか、自動車がしっきりなしに店の前を走って行く。
朝。
マダム・ロアは裏のペンキのはげたポーチで編物をしていた。