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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme

Aozora Bunko

私はふっと塩っぱい涙がこぼれて来た。母はやっと一息ついた今の生活が嬉しいのか、小声で時代色のついた昔の唄を歌っていた。九州へ行っている義父さえこれでよくなっていたら、当分はお母さんの唄ではないが、たったかたのただろう。

(四月×日)

水の流れのような、薄いショールを、街を歩く娘さん達がしている。一つあんなのを欲しいものだ。洋品店の四月の窓飾りは、金と銀と桜の花で目がくらむなり。

空に拡がった桜の枝に

うっすらと血の色が染まると

ほら枝の先から花色の糸がさがって

情熱のくじびき

食えなくてボードビルへ飛び込んで

裸で踊った踊り子があったとしても

それは桜の罪ではない。

ひとすじの情

ふたすじの義理

ランマンと咲いた青空の桜に

生きとし生ける

あらゆる女の

裸の唇を

するすると奇妙な糸がたぐって行きます。

貧しい娘さん達は

夜になると

果物のように唇を

大空へ投げるのですってさ

青空を色どる桃色桜は

こうしたカレンな女の

仕方のないくちづけなのですよ

そっぽをむいた唇の跡なのですよ。

ショールを買う金を貯めることを考えたら、仲々大変なことなので割引の映画を見に行ってしまった。フイルムは鉄路の白バラ、少しも面白くなし。