Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
「おごってくれる?」
「体を大事にして、にくまれないようにね。」
浅草の都寿司にはいると、お酒を一本つけてもらって、私達はいい気持ちに横ずわりになった。雨がひどいので、お客も少いし、バラック建てだけれども、落ちついたいい家だった。
「一生懸命勉強してね。」
「当分会えないのね時ちゃんとは……私、もう一本呑みたい。」
時ちゃんはうれしそうに手を鳴らして女中を呼んだ。やがて、時ちゃんをカフエーに置いて帰ると、たい子さんは一生懸命何か書きものをしていた。九時頃山本さんみえる。
私は一人で寝床を敷いて、たい子さんより先に寝ついた。
(十二月×日)
フッと眼を覚ますと、せまい蒲団なので、私はたい子さんと抱きあってねむっていた。二人とも笑いながら背中をむけあう。
「起きなさい。」
「私いくらでも眠りたいのよ……」
たい子さんは白い腕をニュッと出すと、カーテンをめくって、陽の光りを見上げた。――梯子段を上って来る音がしている。たい子さんは無意識に、手を引っこめると、
「寝たふりをしてましょう、うるさいから。」と云った。
私とたいさんは抱きあって寝たふりをしていた。やがて襖があくと、寝ているの? と呼びかけながら山本さんはいって来る。