Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme

Aozora Bunko

この本がいくらにでも売れないかしら。――寝たっきりなので、体をもち上げるとポキポキ骨が鳴ってくる。指で輪をこしらえて、私の首を巻いてみると、おいたわしや私の動脈は別に油をさしてやらないのに、ドクドク澄んだ音で血が流れを登っている。尊しや。

二通の手紙。ドッチヲサキニダシマショウカ。何と他愛もない事なのだろう。吉田氏へ手紙を出す事にきめる。さて、音のしなくなった足をふみしめて街に出てみるなり。

湯島天神に行ってみた。お爺さんが車をぶんぶんまわして、桃色の綿菓子をつくっていた。あるかなきかの桃色の泡が真鍮の桶の中から湧いて出てくると、これが霧のような綿菓子になる。長い事草花を見ない私の眼には、まるでもう牡丹のように写ります。「おじいさん! 二銭頂戴。」子供の頭ぐらいの大きい綿菓子を私はそっと抱いた。誰もいない石のベンチでこれを食べよう。綿菓子を頬ばって、思うまじ見まじとすれど我家かな、漠然とこんな孤独を愛する事もいいではありませんか。

「おじいさん、三銭下さいな。」

あえなくも菜っぱと小鳥の感傷が、桃色の甘い綿菓子に変ってしまった。何と愛すべき感傷であろう。