Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
甘辛い油揚げの中にいっぱいつまった飯、じとじと汁がたれそうなかんぴょうの帯。
階下ではばくちが始っている。
魚の骨の骨
水流に滴る岸辺の草
魚の骨の骨
蕨色の雲間に浮ぶ灰
今日はと河下のあいさつ
悶と云う字 女の字
悶は股の中にある
嫋々と匂う股の中にある
悶と云う字よ。
魚の骨の骨
弓をひいて奉る一筆
魚の骨の骨
還かえってくる情愛
愁と云う字 その字
天下の人々が口にする
腸のなかにある
愁いの海に沈む舟よ。
一切無我!
○
この街にいろいろな人が集ってくる
飢えによる堕落の人々
萎縮した顔 病める肉体の渦
下層階級のはきだめ
天皇陛下は狂っておいでになるそうだ
患っているもののみの東京!
一層怖ろしい風が吹く
ああ、何処から吹く風なのだ!
情事ははびこる かびが生える
美しい思想とか
善良な思想と云うものがない
おびえて暮している
みんな何かにおびえている。
隙間から見える蒼ざめたる天使
不思議な無限……
神秘なことには陛下は狂っておいでになると云う。
貧弱な行為と汎神論者の鍋
りくぞくと集ってくる人々
何かを犯しに来る人々の群
街の大時計も狂いはじめた。
(五月×日)
雨。
ユーゴーの惨めな人々を読む。
ナポレオンは英雄で、ワーテルローの背景をすぐ眼に浮べるほど立派なおかたと思っていたのだけれど、共和制をくつがえして、ナポレオン帝国をたてた矛盾が、変に気にかかって来る