Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme
日給袋のはいった笊が廻って来ると、私達はしばらくは、激しい争奪戦を開始して、自分の日給袋を見つけ出す。――夕方、襷を掛けたまま工場の門を出ると、お千代さんが、後から追って来た。
「あんた、今日市場へ寄らないの、私今晩のおかずを買って行くのよ……」
一皿八銭の秋刀魚は、その青く光った油と一緒に、私とお千代さんの両手にかかえられて、サンゼンと生臭い匂いを二人の胃袋に通わせてくれるのだ。
「この道を歩いている時だけ、あんた、楽しいと思った事ない?」
「本当にね、私吻とするのよ。」
「ああ、でもあんたは一人だからうらやましいと思うわ。」
美しいお千代さんの束ねた髪に、白く埃がつもっているのを見ると、街の華やかな、一切のものに、私は火をつけてやりたいようなコウフンを感じてくる。
(十一月×日)
なぜ?
なぜ?
私達はいつまでもこんな馬鹿な生き方をしなければならないのだろうか? いつまでたっても、セルロイドの匂いに、セルロイドの生活だ。朝も晩も、ベタベタ三原色を塗りたくって、地虫のように、太陽から隔離された歪んだ工場の中で、コツコツ無限に長い時間と青春と健康を搾取されている。