Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme

Aozora Bunko

ドン・ザッキと云う面白い人物にあう。おかっぱで、椅子の間を踊り歩く。紙がないので、新聞紙に詩を書いて張る。

おそれながら申しあげます

わたしはただ息をしている女

百万円よりも五十銭しか知らない

牛めしは十銭

葱と犬の肉がはいってるのね

小さくてだるまみたいで

よく泣いているおこりんぼ。

いいえもういいのよ

男なんかどうでもいいの

抱きあって寝るだけのこと

十五銭のコップ酒

皿においてるけど

馬鹿に尻だかで世間をごまかす

酔えばいい気持ち

千も万も唄いたくなるのよ。

いずくにか

わがふるさとはなきものか

葡萄の棚下に寄りそいて

寄りそいて

一房の青き実をはみ

君と語ろう ひねもす

ひねもす……。

かえり十時。道玄坂の古本屋で、イバニエスのメイ・フラワア号を買う。四十銭也。駅の近くの居酒屋で赤松月船と酒を飲む。昆布巻き二つとコップ酒。馬鹿に勇ましくなる。

下宿へ御きかん十二時。森とした玄関に大きい金庫が坐っている。あの中に何かあるのだろう。洗面所へ行って水を飲む。冷々としている。こおろぎがないている。ふっとつまらなくなる。一日一日が無為なり。いったいどうなるのか判らぬ。一度、田舎へかえりたいと思う。