Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme

Aozora Bunko

まことに御勉強ですとも……。トルストイが華族の出だって事は始めて知った事なンだもの、吃驚してしまう。私はトルストイの宗教的なくさみは判りたくないけれども、トルストイの芸術は美しく私の胸をかきたてる。あなたは、蔭ではひそかに美味いものを食っていたンでしょう? アンナ・カレニナ、復活、ああどうにもやりきれぬ巨きさ……。

しおしおとして金の星に御出勤。

別れた人なぞは杳かにごま粒ほどの思い出となり果てた。せめて三十円の金があれば、私は長いものを書いてみたいのだ。天から降って来ないものかしら……。一晩位は豚小舎のような寝かたをしてもかまいません。三十円めぐんでくれる人はないものか……。

卓子を拭き、椅子の脚を拭く。ああ無意味な仕事なり。水を流し、ドアのシンチュウをみがく。やりきれなくなって来る。手が紫色にはれあがって来る。泣いているディンプル・ハンド。女の子が鳩笛を吹いている。お女郎が列をなして店の前を通っている。みんな蒼い顔をして首にだけ白粉を塗った妙ないでたち。島田にかのこの房のさがったような髪かたち。身丈の長い羽織なので、田舎風に見える。暗い冬の荒れ模様の空の下を奇妙な列が行く。