Japanische Klassiker mit Furigana
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しんさいゆうき
新西遊記
久生 十蘭
Lesen Sie 新西遊記 (しんさいゆうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.654 Zeichen · 52 Bildschirme
男は白い羊毛のシャツと、和服によく似た、膝きりの羊毛織の布衣をゆったりと着こみ、その上に革帯をしめている。袖の長いことはおどろくばかりで、筒のようになったのが、上衣の裾のまだ下まで垂れている。この袖は防寒のためだが、食器を拭く雑巾の役もする。家にいるときや、右手を使いたいときは、片肌脱ぎになって長い袖を腹巻のように帯の上に巻きつける。男はみな髪を剃り、外へ出るときは、釣鐘をひっくりかえしたようなかたちのフェルト帽子をかぶる。ヤクの皮でつくったしなやかな半長靴を穿いているが、上端のほうが大きくできていて、煙管、煙草容れ、茶筒、木椀など、なにもかもみなそこへおさまってしまう。
西蔵は一妻多夫の国で、兄弟が五人あっても七人あっても細君は一人で間にあわせる。地味が痩せているので、めいめいが妻帯しても食わせることができない。長男がまず嫁をもらい、そのうちに弟が年頃になると、母の仲人で兄嫁と夫婦になる。つぎの弟がまたこれと夫婦関係を結ぶというふうに、兄弟で一人の細君をアチコチする。父と子で一人の細君をもっているのもあり、二人、三人の娘に一人の養子をもらう例もある。